研究の背景:
インターネット上の情報の85%以上が英語であることや国際機関の約85%が英語を公用語または作業語に選んでいる現代社会は,そのコミュニケーション手段として明らかに一つの言語を求めているといえる。そして,英語指導技術もコミュニケーション能力を向上させることを重視したものになっている。元来教員は日々研鑚を重ね,「英語運用能力」や「指導技術・授業力」の向上を図るべきであるが,本研究グループが中学校および高校の現職教師を対象に行なった予備調査(回答数92名)では,その58.7%が授業準備以外の研修を実施していないことが判明した。現在,わが国の英語教育は,TOEFLの結果からみると朝鮮人民共和国と並びアジアの最下位に甘んじている状態で,深刻な情況を呈している。この主な原因の一つに英語教員がその資質向上に努力していないことがあると考えられる。
今日まで,わが国の教育界では,教員の資質向上の方策,手順,そしてその評価法までふみこむ研究はさけられてきた。また,いままでの英語教育の研究では,現場でのフィールドワークが重視されてこなかった。そのために,研究が調査の分析と改善案の提案の段階にとどまってしまい,改善案の効果測定が行われることは,ほとんどなかった。
(1) 本研究では,いままで行なわれてこなかったその2つに踏み込んで行きたいと考えている。
�A研究の目的:
各都道府県で行なわれている5年次および10年次英語教員対象の研修に参加した教員にアンケート調査をし,彼らの研修と授業に対する意識と実態を調査する。そして,かれらの研修を妨げているものを特定し,その改善プログラムを提案する。
(2) 各都道府県で行なわれている英語の研修を主宰している指導主事に面接し,行政側からみた研修プログラムの有用性,問題点などの実態を調査する。そして,その研修がさらに効果的に行なわれるための改善プログラムを提案する。
(3) 海外の先進的教員研修プログラムを調査し,日本でその先進性の採用の可能性を検討する。調査対象は,韓国,中国,シンガポールの英語担当教員プログラム,オーストラリアの日本語担当教員プログラム,そしてアメリカ,カナダのESL(English as a Second Language)担当教員プログラムである。
上記(1),(2),(3)より,英語教員のコミュニケーションを教える能力を向上させるプログラムを作成すると同時に,その教員のコミュニケーション能力指導を評価する枠組みを提示する。(4)
上記(1),(2),(4)は,改善策を教育現場でフィールドワークを行ない,達成度を測定する。
(3) 英語教育分野においては,ほとんど例がない「分析の結果を実際の教育現場でフィールドワーク」を行なうことにより効果測定を行なうことである。
その81.1%が忙しいことを理由にあげている。研修が必要な教師の研修を阻んでいる「忙しい」という実態を解明し,研修ができる方法を考案とする。
研究計画
第1の目的 公的機関で行なわれている英語教員研修の実態調査とその改善方法の提案
第2の目的 外国で行なわれている語学教員研修の実態調査
第3の目的 現職教員が自分で行なっているまたは参加して行なっている研修の実態調査および改善策の提案
第4の目的 現職教員の評価基準の枠組みとして,英語指導力の枠組みを提案する。
12年度
11年度から実施している現職教員に対する予備調査の結果を分析修正したアンケートをつかい第1回全国調査を実施する。対象は各地の中学校および高校現職教員各600名づつで,内訳はそれぞれ20才代約200名,30才代約200名,40才代約200名である。
�@ もとにしたして,第1の目的 各県の指導主事にアンケート用紙を配布し,公的機関で行なわれている英語教員研修の実態調査とその改善方法の提案。
第2の目的 外国で行なわれている語学教員研修の実態調査
第3の目的 現職教員が自分で行なっているまたは参加して行なっている研修の実態調査および改善策の提案